「今年もたくさん読むぞっ!!」などとメッセージを書いてしまったのに、年末年始休暇の間にほとんど読書が進みませんでした。特に忙しかったわけでも、疲れていたわけでもないのですが、何となく気乗りしなかったのです。おかげで箱根駅伝をじっくり見てしまった次第。このツケは、2月にアップする読書レビュー数に跳ね返ってくることになります。
1.恥辱(J・M・クッツェー)
南アフリカ出身のノーベル賞受賞作家の代表作です。女学生へのセクハラがもとで離職した中年大学教授が、ひとり娘が生活する農園に転がり込んで、南アフリカの田舎の現実に圧倒されていきます。アパルトヘイトの終焉にもかからず、次の時代が見えてこない重苦しい世界が描かれます。そして彼が「恥辱」と感じたこととは何だったのでしょう。
南アフリカ出身のノーベル賞受賞作家の代表作です。女学生へのセクハラがもとで離職した中年大学教授が、ひとり娘が生活する農園に転がり込んで、南アフリカの田舎の現実に圧倒されていきます。アパルトヘイトの終焉にもかからず、次の時代が見えてこない重苦しい世界が描かれます。そして彼が「恥辱」と感じたこととは何だったのでしょう。
2.民宿雪国(樋口毅宏)
雪深い片田舎で寂れた民宿を営みながら自己流の絵を描いていた老人が、なぜ国民的画家として著名になりえたのか。その背後には残虐な犯罪も、大掛かりな詐欺もあったのですが、最後に見えてきたものは意外にも「純愛」でした。政治的に微妙なテーマを含むため、長く出版されなかったという事情も含めて「奇書」と呼ばれるにふさわしい作品です。
雪深い片田舎で寂れた民宿を営みながら自己流の絵を描いていた老人が、なぜ国民的画家として著名になりえたのか。その背後には残虐な犯罪も、大掛かりな詐欺もあったのですが、最後に見えてきたものは意外にも「純愛」でした。政治的に微妙なテーマを含むため、長く出版されなかったという事情も含めて「奇書」と呼ばれるにふさわしい作品です。
3.U(ウー) 皆川博子)
これも「奇書」の部類でしょう。第一次世界大戦時のドイツUボート乗組員の物語が、なぜ17世紀初頭のオスマン帝国の奴隷の物語と関係しているのか。「地底」と名付けられた章で始まった精神と肉体の遍歴が、「Uボート」と名付けられた章の中で解放されていく過程はスリリングです。
これも「奇書」の部類でしょう。第一次世界大戦時のドイツUボート乗組員の物語が、なぜ17世紀初頭のオスマン帝国の奴隷の物語と関係しているのか。「地底」と名付けられた章で始まった精神と肉体の遍歴が、「Uボート」と名付けられた章の中で解放されていく過程はスリリングです。
【その他今月読んだ本】
・ダーク・エンジェル 戦闘前夜(マックス・アラン・コリンズ)
・ダーク・エンジェル スキン・ゲーム(マックス・アラン・コリンズ)
・ダーク・エンジェル 最終戦争(マックス・アラン・コリンズ)
・コロヨシ!!(三崎亜紀)
・ヘルプ(キャスリン・ストケット)
・龍のすむ家(クリス・ダレーシー)
・探偵くるみ嬢の事件簿(東直己)
・東慶寺花だより(井上ひさし)
・ふくろう(梶よう子)
・イレーナ、闇の先へ(マリア・V・スナイダー)
・見えない日本の紳士たち(グレアム・グリーン)
・ゼロ(マルク・エルスベルグ)
・天子蒙塵 第4巻 (浅田次郎)
・彼氏をバッド・ボーイにする方法(オリヴィア・ゴールドスミス)
・蘭の館(ルシンダ・ライリー)
・火環(ひのわ) 八幡炎炎記完結編(村田喜代子)
・百年佳約(村田喜代子)
・アポロンと5つの神託 2.闇の予言(リック・リオーダン)
・砂上(桜木紫乃)
・ダーク・エンジェル 戦闘前夜(マックス・アラン・コリンズ)
・ダーク・エンジェル スキン・ゲーム(マックス・アラン・コリンズ)
・ダーク・エンジェル 最終戦争(マックス・アラン・コリンズ)
・コロヨシ!!(三崎亜紀)
・ヘルプ(キャスリン・ストケット)
・龍のすむ家(クリス・ダレーシー)
・探偵くるみ嬢の事件簿(東直己)
・東慶寺花だより(井上ひさし)
・ふくろう(梶よう子)
・イレーナ、闇の先へ(マリア・V・スナイダー)
・見えない日本の紳士たち(グレアム・グリーン)
・ゼロ(マルク・エルスベルグ)
・天子蒙塵 第4巻 (浅田次郎)
・彼氏をバッド・ボーイにする方法(オリヴィア・ゴールドスミス)
・蘭の館(ルシンダ・ライリー)
・火環(ひのわ) 八幡炎炎記完結編(村田喜代子)
・百年佳約(村田喜代子)
・アポロンと5つの神託 2.闇の予言(リック・リオーダン)
・砂上(桜木紫乃)
2019/1/30