りぼんの読書ノート

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錠前破り、銀太 紅蜆(田牧大和)

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「不味い蕎麦屋」を営む銀太、秀次の兄弟と、北町奉行所の吟味方与力助役の貫三郎という、異色の幼馴染たちが活躍する錠前破り、銀太のシリーズ第2作です。緋色からくりの主人公である錠前師の緋名は、前作に続いて連続出場。一方で濱次お役者双六で隠居した名脇役女形としていい味を出している有島仙雀翁も、満を持して登場してきます。

しかし物語は物騒です。前作で因縁を持ってしまった謎の組織「三日月会」が、銀太らに意趣返しを目論むのです。2カ月の間に3人の亭主を亡くしたという、首筋に赤い蝶の痣を持つ綾乃という女性は、男運の悪いだけのかよわい女性なのか。それとも稀代の悪女なのか。

彼女を疑っていた与力助役の貫三郎は、すっかり恋愛モードに入ってしまったようですが、元女形のご隠居は彼女の本質をどう見抜いたのでしょう。やがて銀太は友人たちを救うために、捕えられる危険を冒して土蔵の錠前破りに挑む羽目に陥ってしまいます。

謎の組織「三日月会」は、3人の幼馴染が挑むには大きすぎる相手のようですが、錠前師の緋名や、彼女を助ける隠密目明しの康三郎、さらには人物を見極める名人ともいうべき元女形の有島仙雀翁らがタッグを組むなら勝負になるかもしれませんね。続編にも期待しましょう。

2018/4