りぼんの読書ノート

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クリフトン年代記4.追風に帆を上げよ(ジェフリー・アーチャー)

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「クリフトン年代記の第4部です。ここまで、ハリー・クリフトンとエマ・バリントンの数奇な運命を中心に描いてきたシリーズでしたが、徐々に主人公は、2人の息子である第二世代のセバスチャンに移っていくようです。

ということで、前作裁きの鐘はのラストで死亡を伝えられた青年は、もちろんセバスチャンではありません。しかし、両家の破滅を狙うマルティネスの復讐心はエスカレートしていきます。かなり自業自得なのですけれど。

マルティネスは、エマが会長を務めるようになったバリントン海運に、彼の息がかかったフィッシャーを送り込んで、社運をかけて進める豪華客船の建造を妨害。それどころか、IRAと組んで破壊工作を進めるのです。その一方で、ハリーとエマの養女ジェシカにも、エマの兄ジャイルズの元妻バージニアを通じて、心ない攻撃が仕掛けられます。

一方でセバスチャンは、バリントン海運の株主であったスコットランドの銀行家ハードキャッスル氏に才能を見出されていきます。脇役でソニーの盛田社長も登場。セバスチャンは銀行家になるのか、海運業を継ぐのか、それとも最終的には政治家になるのか。彼の進路も気になってきました。アメリカ人の恋人もできそうですし。

この巻もまた、とんでもないところで終了。こんな「連続ドラマ」の手法は使って欲しくないものです。ところで、このシリーズは当初3巻の予定が、5巻へ、さらに7巻へと伸びたとのこと。終了時点も1980年代から2010年代へと延長されたようです。最後は現代的なテーマに結びついてくるのでしょう。

2015/8