アリス・マンローさんの「最後の著作」は、年齢を感じさせない力強い作品です。塩野七生さんの著作は「中世三部作」のラストですが、まだまだ絶筆ではありませんよね。 冲方丁さんが「最後のラノベ」とするという作品も面白かったですね。主人公が闘う少女たちであることが独特の世界観を築き上げているのですが、仮にそういう設定でなかったとしても、優れたSF・アクション・ミステリ作品です。姉妹編・続編もあるとのこと。1.ディア・ライフ(アリス・マンロー)
83歳で引退を宣言したノーベル文学賞受賞作家の「最後の著作」です。短編小説の巧みな技法を用いて、大河小説のように人生を紡ぎあげることができる小説家です。とりわけ著者自身が「フィナーレ」と銘打った最後の4編は、両親への愛に溢れています。「でもわたしたちは許すのだ。いつだって許すのだ」と総括する最後の一文の、なんと重いこと。そしてなんと説得力のあること。
2.皇帝フリードリッヒ二世の生涯(塩野七生)
「ローマ以降」を描いた「中世3部作」の棹尾を飾るのは、ルネサンスを先取りしたかのような合理性の持ち主であったフリードリッヒ2世。いかにも著者好みの人物であり、「生ききった、と言える人間にとって、勝者も敗者も関係なくなる」という賛辞も贈られているほど。一方で、彼とことごとく対立したローマ法王サイドの不寛容さと不合理さが際立つのです。
「ローマ以降」を描いた「中世3部作」の棹尾を飾るのは、ルネサンスを先取りしたかのような合理性の持ち主であったフリードリッヒ2世。いかにも著者好みの人物であり、「生ききった、と言える人間にとって、勝者も敗者も関係なくなる」という賛辞も贈られているほど。一方で、彼とことごとく対立したローマ法王サイドの不寛容さと不合理さが際立つのです。
3.バージェス家の出来事(エリザベス・ストラウト)
成功した弁護士である長兄ジムと、ダメ弟のボブの関係が、ボブの双子の妹スーザンの息子ザックが起こした事件をきっかけに変わっていきます。バージェス家の三兄弟に起こったドラマは、アメリカ社会における「家族の絆」の重要性を再認識させてくれるものです。ピューリッツアー賞を受賞した『オリーヴ・キタリッジの生活』に続く翻訳です。
成功した弁護士である長兄ジムと、ダメ弟のボブの関係が、ボブの双子の妹スーザンの息子ザックが起こした事件をきっかけに変わっていきます。バージェス家の三兄弟に起こったドラマは、アメリカ社会における「家族の絆」の重要性を再認識させてくれるものです。ピューリッツアー賞を受賞した『オリーヴ・キタリッジの生活』に続く翻訳です。
【その他今月読んだ本】
・魔法飛行(加納朋子)
・スペース(加納朋子)
・メアリー・アニングの冒険(吉川惣司/矢島道子)
・グリード(真山仁)
・もうひとつの街(ミハル・アイヴァス)
・岳飛伝 7(北方謙三)
・三銃士の息子(カミ)
・オイレンシュピーゲル壱(冲方丁)
・オイレンシュピーゲル弐(冲方丁)
・オイレンシュピーゲル参(冲方丁)
・オイレンシュピーゲル肆(冲方丁)
・村上春樹 雑文集(村上春樹)
・水軍遙かなり(加藤廣)
・こちら弁天通りラッキーロード商店街(五十嵐貴久)
・ミュンヘン(マイケル・バー=ゾウハー)
・リターン(五十嵐貴久)
・天冥の標2.救世群(小川一水)
・陰陽師~蒼猴ノ巻(夢枕獏)
・魔法飛行(加納朋子)
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・メアリー・アニングの冒険(吉川惣司/矢島道子)
・グリード(真山仁)
・もうひとつの街(ミハル・アイヴァス)
・岳飛伝 7(北方謙三)
・三銃士の息子(カミ)
・オイレンシュピーゲル壱(冲方丁)
・オイレンシュピーゲル弐(冲方丁)
・オイレンシュピーゲル参(冲方丁)
・オイレンシュピーゲル肆(冲方丁)
・村上春樹 雑文集(村上春樹)
・水軍遙かなり(加藤廣)
・こちら弁天通りラッキーロード商店街(五十嵐貴久)
・ミュンヘン(マイケル・バー=ゾウハー)
・リターン(五十嵐貴久)
・天冥の標2.救世群(小川一水)
・陰陽師~蒼猴ノ巻(夢枕獏)
2014/9/29