「行くか」と促す安部清明に、「行こう」と応える源博雅の名コンビが、平安の都に起きる怪異に挑む、著者渾身の「偉大なるマンネリ」シリーズ。蘆屋道満、賀茂忠輔、蝉丸、露子姫、藤原兼家などのレギュラー陣も総登場。
「鬼市」:死者たちが開く鬼市に迷い込んでしまった兼家を、清明が助け出します。後腐れなく追い払うために、鬼たちに銭を払う方法とは?
「からくり道士」:蝶に姿を変えて蔵から飛び出していく金銀財宝。見事なからくり細工を作り上げた道士・韓志和との約束を破った貴族を、道満が懲らしめたのです。
「月の路」:琵琶湖に舟を浮かべて月見をしていた晴明、博雅、蝉丸が、不思議な島へと吹き寄せられたのは、妖猿に横惚れされて困惑した泣沢女神が助けを求めたせいでした。
「蝦蟇念仏」:蝦蟇の妖力を使って失せ物を探す法師の正体は盗賊でした。その蝦蟇は先に登場した妖猿から奪ったものだったのですが。復讐されてしまいます。
「仙桃奇譚」:紫衣仙女が探していたのは、女主人の西王母の庭から失われた桃でした。桃を見つけた道満がとった行動とは?
「安達原」:清明を訊ねて救いを求めた男は、遠い安達原の鬼女から逃げていたのです。しかし鬼女の望みは意外なものでした。そして男の正体も・・。
「首をかたむける女」:博雅が初雪に聴かせた笛の音のお礼は、美女・・ではなく、椿の花。
2014/9