りぼんの読書ノート

Yahooブログから移行してきた読書ノートです

テルマエ・ロマエ 1-6(ヤマザキマリ)

映画「テルマエ・ロマエ」は2作品とも見ているので、おおよその内容は知っていました。ハドリアヌス帝時代の古代ローマから現代日本にタイムスリップしてきた浴場設計技師ルシウスが、「平たい顔族」の風呂文化をローマの浴場建設に取り入れていく物語。「世界で最も風呂を愛しているのは、日本人と古代ローマ人だ」との発想から生まれた、唯一無二の作品です。

 

銭湯の富士山絵、湯上りのフルーツ牛乳やラムネ、温泉卵、風呂おけやシャンプーハット、露天風呂、サウナ、シャワー、ウォシュレット、温泉街など古代ローマでも歓迎されるはずの風呂文化。「生真面目な古代ローマ人」と「外人に親切な田舎の日本人」との相性の良さ。誤解が生みだす真実。このあたりが大ヒットの理由ですね。上戸彩さんが演じた漫画家志望の山越真実は映画オリジナルのキャラクターですが、ルシウスに恋する聡明で美しいヒロインの小達さつきと似たポジションですね。ラストシーンは原作と映画では全く異なっていますが。どちらもハッピーエンドです。

 

ドリュポーロス、ミロのヴィーナス、ラオコーンなどの著名な彫刻に、タオル、湯桶、シャンプーハットなどの浴場用品を持たせている、コミックの表紙がいいですね。これを見るだけで、独特の物語世界に入り込めでしまいます。このたび原作のコミック全6巻を一気読みした場所は、南房館山の温泉旅館だったこともあり、心身ともに温泉を堪能した次第です。

 

2023/4