りぼんの読書ノート

Yahooブログから移行してきた読書ノートです

中島ハルコの恋愛相談室(林真理子)

f:id:wakiabc:20210622121230j:plain

無敵のヒロイン中島ハルコを演じる大地真央と、冴えないフードライターで語り手の菊池いづみを演じる松本まりかのダブル主演でTVドラマ化されたことをきっかけに読みました。2人ともハマリ役です。

 

ホテルで偶然ハルコに出会って、その迫力と毒舌に圧倒されたいづみは、つい自分の悩みを打ち明けてしまいます。それは長年の不倫相手に300万円を貸して以来、縁遠くなってしまっていること。ハルコは言うのです「その男のことはどうでもいいけれど300万は惜しいね」と。そして「その男にはもうひとり愛人がいる」と。それがズバリ的中していたことで、いづみはハルコの言動にあきれながらも信奉していくのです。

 

そしてハルコは次々と恋愛に関わる問題をぶったぎっていくのでした。老舗菓子屋の後継者問題。東大卒出版社員女性のお見合い問題。投資会社社長の愛人が妻気取りになっている問題。娘の結婚に親が反対する問題。バツイチ女性の不感症問題。停年退職後の夫に悩む主婦の問題。逃げた不倫妻から強請られる料理店主の問題。海外成功者たちが子どもの進路に悩む問題・・。

 

「愛人がケチになったら要注意」とか、「何にも持っていない男が優しくて誠実なんて当たり前」とか、「使えるほどすごいカラダを持ってたらえらいえ」とか、「宝石こそ女の歴史」とか、「人にお金を使うのはいちばんわかりやすい誠意」などの、ハルコの一方的で厚かましい独断が、どのケースに対しても有効なのは心地よいほど。ではこんなハルコの性格はどのようにして形作られてきたのでしょう。それは本書かドラマを見てのお楽しみにとっておいてください。

 

2021/7