りぼんの読書ノート

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おもてなし時空カフェ(堀川アサコ)

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先に読んだ『おもてなし時空ホテル』の続編です。なぜか時間旅行者しか宿泊できないホテルに採用されてしまい、新米の一般人なのに時間旅行に関するトラブル解決を迫られた桜井千鶴は、ホテル系列のカフェに出向。そこは何匹もの犬を飼っている犬カフェであり、経営を任されているのは暗殺を逃れて現代に移り住んだ徳川綱吉公。まあ適任なのでしょう。 

 

もちろんそこにもトラブルを抱えた人たちはやってきます。不登校になってしまったホテルの料理人・吉井さんんの息子。未来からやってきた美女を追ってきた殺人ロボット。鬼を連れてやってきた平安時代陰陽師見習い。百発百中の占い師。人生経験豊富で時代劇の主役俳優のような綱吉公が、いい味をだしています。 

 

時空ホテルや時空カフェを統括するのは、国際時空管理機構というMIBのような組織なのですが、今回は組織の管理外にある違法タイムマシーンも登場。未来から来た美女と殺人ロボットが乗ってきたのですが、これは操作が安定せず、うっかりすると時空の狭間に落ち込んでしまうという危険な代物。千鶴は無事に使いこなすことができるのでしょうか。 

 

さまざまな経験をして成長した千鶴の恋愛も、新たな段階に入ったようです。ということはこのシリーズはこれで終了? こんなほっこり感は割と好きなので、続編も出して欲しいものです。「幻想シリーズ」が、郵便局、映画館、日記店、探偵社、温泉旅館、寝台車と場所を変えながら続いているように、千鶴にはホテル系列の職場を巡らせてみたらどうでしょう。 

 

2020/4