りぼんの読書ノート

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水滸伝2(北方謙三)

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第2巻では、いよいよ晁蓋の率いる革命軍が梁山泊を本拠地として構えます。盗賊に成り果てた一団が籠る天然の要塞をどうやって奪い取るかが、本書のメインストーリー。先に脱獄していた林冲が同志たちに先行して梁山泊入りしたのも作戦の一環。ここで宋江晁蓋が手を結ぶわけです。楊志が北京府から開封まで運ばされる宰相への賄賂を、晁蓋らが強奪する場面はほぼ原典通りですが、これも梁山泊強奪のための作戦。 

面目を失って軍に戻れない楊志魯智深の協力を得て二竜山を奪い。梁山泊との連携を深めることになります。恋焦がれていた兄嫁を犯して自殺させてしまい、自害しようとしていた武松や、若くして少華山の頭目となって無理を重ねていた史進は、王進に預けられて再生への道を歩み出します。梁山泊は孤立した要塞ではなく、各地の革命拠点と連携していくとの構想も明確になってきました。 

 

牢城から救い出された公孫勝は、劉唐らとともに梁山泊で特殊部隊である致死軍を組織。袁明が率いる宋政府の特務機関・青蓮寺と対峙していくことになります。若い頃は王安石に心酔し、国家内改革を目指している袁明のキャラがいいですね。禁軍監察官として登場した李富は青蓮寺の幹部であり、次第に敵の姿も明確になってきます。そして宋江の弟の宋清も巻き込まれた閻婆借殺害事件が起こり、宋江は武松とともに放浪の旅に出ることになります。 

 

2019/10再読